第2回「坂まつり」開催 2014年11月16日
渡邊一夫
第2回「坂まつり」が、11月16日(日)13時より、新宿区牛込箪笥地域センター会議室で開催されました。
今回は地元・新宿区の共催を得られました。さらに約50の団体が参加する「新宿フィールドミュージアム」のメンバーの一員になった事から、大量の事前予告ビラ、冊子の配布等、第1回とは異なるレベルの事前告知が実現。
そのため、事前参加申込は10月末前には定員に達し、申込終了となりました。当日は60名を超す参加者で、さらに好天にも恵まれ、活気ある会となりました。
第1部は「東京の坂・新宿の坂」と題し、13時から14時15分まで、坂学会会長・原征男氏の講演がありました。
東京の地形から説き起こして、東京の坂について、その特徴などの解説に、満席の参加者は興味深げに聞き入っていました。新宿の坂に関しては、牛込地区や四谷地区など、エリアごとに個別に坂を紹介し、詳細な説明を行いましたが、地元新宿の坂についての話だけに、参加者の中には、ひとつひとつの説明に大きく頷きながら聞く姿もあり、印象的でした。
原征男氏の講演に続き、坂学会副会長・瀧山幸伸氏から「坂の魅力」についての映像付の解説がありました。瀧山氏自身が日本全国さらには海外を飛び回って撮影した映像を紹介しながら、坂の魅力を熱く語られました。15分の短い時間でしたが、高画質の映像と相まって、参加された皆さんも熱心に見入っていました。
第1部終了後、15分の休憩の後、14時45分より第2部「新宿区の坂歩き・坂歩きフィールドワーク」を行いました。
コースは、牛込箪笥地域センターを出発、袖摺坂から明治時代の作家・尾崎紅葉の旧居、江戸時代の儒者・林家の墓所を訪れ、焼餅坂を坂上から眺め、宝竜寺坂を下り、松井須磨子の墓のある多聞院を経て、文豪・夏目漱石ゆかりの漱石公園に寄ってから夏目坂を上がり、ゴールの早稲田で解散。1時間半のコースです。『東京の「坂」と文学』の著者、原会長が設定しただけあって、坂と文学を堪能出来るコースとなっています。
坂学会会員以外の一般参加者のほとんどが坂歩きフィールドワークへの参加を希望されたので、2班に分け、原会長以下、坂学会会員6名が案内役となりました。その他、坂学会会員で坂歩きフィールドワークに参加した者は交通整理役を務め、事故などにないようにし、16時15分頃には、無事、終了しました。
坂歩きフィールドワークに参加された方は、文学・歴史と坂を満喫し、心地よい歩き疲れで、満足されて帰途につかれたようです。
会場には、新宿区すべての坂の写真を、それぞれの位置を示す地図とともに貼ったパネル十数点をはじめ、坂歩きの七つ道具(地図、カメラから坂の傾斜角を知るための斜度計まで)を示したパネル、坂学会の案内など、様々な展示物を用意しました。開会までの時間や第1部終了時など、短い時間にも関わらず、参加者は熱心に見て回り、坂そのものへの関心を高めていました。
また、参加者全員に、新宿区の103の坂すべてについて坂名、別名、所在地を記して一覧にした「新宿区の坂リスト」、坂歩きフィールドワークのコースにゆかりある夏目漱石に関する小冊子(新宿区作成)などを無料で配布しました。
原会長の講演、この「新宿区の坂リスト」、さらには、会場内に展示した新宿区の坂写真パネルなどで、新宿区の坂に対する関心が高まったためか、有料で配布した新宿区のすべての坂の所在地が一目で分かる新宿区の坂地図は、予想していた以上の売れ行きでした。
この「坂まつり」を通じて、このイベントに参加した方々の坂に対する関心、新宿区の坂に対する興味が、さらに増した手応えを感じられました。
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